■ 表9-1 食物経口負荷試験の目的
OFCは、試験により得られる患者の利益が症状誘発のリスクより大きいと判断できる場合に、確定診断、安全摂取可能量の決定および耐性獲得の確認を目的として実施する。
■ 表9-2 重篤な症状を誘発しやすい要因
OFCの実施前には重篤な症状が誘発されるリスクを評価し、リスクが高い場合にはリスクの低減化を考慮する。
■ 表9-3 食物経口負荷試験を実施する医療機関の分類と役割
OFCを実施する医療機関は、OFCの経験豊富な医師の人数、救急対応の状況など自施設の体制とOFCのリスクを鑑み、自施設で実施可能かを判断する。
■ 図9-1 実施する医療機関の選択(完全除去例の場合)
フローチャートを参考に、必要に応じて専門の医療機関へ紹介する。
■ 表9-5 食物経口負荷試験の結果に影響する薬剤
OFCの結果に影響すると考えられる薬剤は事前に一定期間中止する。吸入ステロイド薬、点鼻薬、点眼薬、外用薬については、中止する必要はない。ただし、吸入β2受容体刺激薬および、吸入ステロイド薬と吸入β2受容体刺激薬の配合剤、β2刺激薬の貼付剤は中止する。アレルギー疾患に対する生物学的製剤(オマリズマブなど)は症状誘発の閾値を上昇させる可能性があるため、結果の解釈には注意が必要である。
■ 表9-6 総負荷量の例
OFCで摂取する総量を総負荷量という。総負荷量は少量、中等量、日常摂取量の3段階に分けられる。少量の総負荷量は誤食などで混入する可能性がある量を想定し、日常摂取量は耐性獲得の確認のための目安の量である。
■ 図9-2 総負荷量の選択(鶏卵)
日常的に実施している医療機関では、即時型反応の既往、アナフィラキシーの既往、特異的IgE抗体価を参考に総負荷量を選択する。症状誘発のリスクが低いと考えられる場合には、「中等量」の総負荷量での実施が考慮できる。
■ 図9-3 総負荷量の選択(牛乳)
日常的に実施している医療機関では、即時型反応の既往、アナフィラキシーの既往、特異的IgE抗体価を参考に総負荷量を選択する。症状誘発のリスクが高いと考えられる場合には、専門の医療機関への紹介を考慮する。
■ 図9-4 総負荷量の選択(小麦)
日常的に実施している医療機関では、即時型反応の既往、アナフィラキシーの既往、特異的IgE抗体価を参考に総負荷量を選択する。症状誘発のリスクが高いと考えられる場合には、専門の医療機関への紹介を考慮する。
■ 図9-5 摂取間隔および分割方法
OFCは単回または2~3回に分割して行う。分割して摂取する場合には、摂取間隔は30分以上が望ましく、特に症状出現時間の遅い鶏卵は1時間以上が望ましい。