[ 要 旨 ]

  1. 1食物アレルギー管理の原則は、正しい診断に基づいた必要最小限の原因食物の除去である。
  2. 2患者や家族に対して、誤食などによる誘発症状を防止するための注意点を指導する。
  3. 3摂取している食事全体を評価し、必要に応じて管理栄養士による栄養摂取状況の評価および栄養食事指導を行う。
  4. 4食物経口負荷試験などで原因食物の食べられる範囲を確認し、安全性を確保できる範囲の摂取を指導する。
  5. 5合併するアレルギー疾患を十分にコントロールする。

表10-1 管理の原則

管理の原則は必要最小限の除去である。その意味をより明確に記載した。

表10-2 原則として除去不要の食品

食物アレルギー患者の多くは記載した食品の除去を必要としない。


図10-1 管理栄養士との連携

管理の基本は、必要最小限の除去である。関係者の情報共有を行い、安全には十分配慮する。患者だけではなく家族のQOLにも配慮した指導が求められ、管理栄養士の役割は大きい。


表10-3 代替食品の栄養素の目安※量の換算は「食品成分表2015」に基づく

食品の除去を必要とする際は欠乏する可能性のある栄養素、代替となりうる食品の栄養素を参考に指導を行う。


図10-2 小児期の耐性獲得を目指す食物アレルギーの診断・管理のフローチャート

食物経口負荷試験で安全性が確認された量までの摂取を指導する。中等量の幅は広い為、負荷量を変え複数回施行しても良い。


表10-4 食物アレルギー患者が注意を要する医薬品
投与禁忌の医療用医薬品

医薬品には食物抗原が含まれるものが存在し、食物アレルギー患者はその使用に注意を要する。