第11章 食物アレルギーの発症と予知と予防

[ 要 旨 ]

  1. 1口腔アレルギー症候群(oral allergy syndrome, OAS)はIgE抗体を介した口腔粘膜に限局する即時型アレルギー症状
      である。本章では、花粉-食物アレルギー症候群(pollen-foodallergy syndrome, PFAS)に限定して記載する。
  2. 2主な原因食品は果物、生野菜や豆類である。原因アレルゲンとして花粉との交差抗原性を示すBet v 1ホモログや
      プロフィリンなどが知られている。
  3. 3診断は病歴、特に花粉症の合併および被疑食物の感作状況を参考に行う。補助診断としてprick-to-prick testが優れて
      いる。確定診断のために行う経口負荷試験では、新鮮な食品の舌下投与で行うことも考慮する。
  4. 4治療の基本は除去であるが、加熱などの加工処理によって摂取が可能となることが多い。
  5. 5花粉症に対する特異的免疫療法によるPFASに対する治療効果には、まだ議論の余地が残されている。
表11-3 主な花粉と交差反応性が証明されている果物・野菜など

これらの花粉に対してアレルギーを有する場合に、右に示す果物や野菜で口腔アレルギー症状を示しやすい。だたし、この組み合わせ以外でも症状を示す場合もある。

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